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運動前に強度を意図的に操作したボルグスケールを用いた運動強度フィードバックの作用~オープン・ループサイクリング運動において【海外最新研究紹介】 [Tests & Measurements]

要約

【目的】 一定のパワー出力によるオープン・ループ運動でにおいて、ボルグスケール上の自覚的運動強度、心拍数(HR)、およびパーフォーマンス応答による運動強度偽装の効果を確認すること。

【方法】 8人の健常男子を対象に、まずピークパワー出力(PPO)と心拍屈折点(HRDP)を特定するため、サイクル・エルゴメータで最大漸増負荷試験を行った。
引き続いて、偽装下(DEC)と内容を知らされた(INF)状況下それぞれで被験者らにHRDP強度に設定された運動を疲労困憊まで一定パワー出力で行った:
DEC― 被験者らは、彼らがHRDPで定量化されたRPEの下で2つのカテゴリーに対応している強度において自転車をこいでいるはずであるとされた;
INF― 被験者らは、彼らがHRDPで定量化されたRPEに対応している正確な強度で自転車をこいでいると知らされていた。

【結果】 それぞれ、最大漸増負荷試験で得られたHRDPでの平均PPOは247.5±32.1W、パワー出力は208.1±27.1Wであった。
疲労困憊までの時間の有意差は、DEC(525±244s)とINF(499±224s)のそれぞれのトライアルの間で見られなかった。
RPEとHRのそれぞれのパラメータにおける傾斜、1、2回目のそれぞれの測定において、トライアル間で有意差が見られなかった。

【結論】 運動強度がRPEスコアを用いて偽装的に操作されたとしても、運動パーフォーマンスと同様に精神心理学的変異性、すなわちRPEやHRは影響を受けなかった。
これは、運動中における変更されないRPEがこのオープン・ループ運動のパーフォーマンスの調整指標として機能する可能性が示唆されるものである。

出典『英国スポーツ医学雑誌Online FIrst

Flávio Oliveira Pires, John Hammond "Manipulation effects of prior exercise intensity feedback by the Borg scale during open-loop cycling" 

Br J Sports Med doi:10.1136/bjsm.2010.079053

PMID: 21266335

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関連記事『自覚的運動強度』2006.3.7


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女子における乳サプリメントとレジスタンストレーニングの除脂肪体重とインスリン様成長因子に対する効果【海外最新研究紹介】 [スポーツ]

目的:
過体重女性のレジスタンストレーニング実施時におけるヨーグルトサプリメントの運動前及び運動後の利用による体組成の変化を検討するため。

方法:
体格指数(BMI)平均29.1の±2.1kg/m2の参加者(平均36.8±4.8歳)を、ヨーグルトサプリメント群(YOG;n=15)およびエネルギーの等しいショ糖飲料群(CONT;n=14)にランダム化し割り付け、16週間にわたって運動前後に摂取させた。参加者は、本研究の間、毎日(-1,046kj=約250kcal)エネルギー摂取を減らすようにも命じられた。身体組成は、二重エネルギーX線吸光光度定量法(DeXA法)、腹部周囲径及び矢状直径によって評価された。
筋力は、1-最大反復回数(1RM)で評価された。食事アンケートについては、マルチ・パス・アプローチを用いたNutrition Data Systemソフトウェアを使用して得られた。インスリン様成長因子-1とインシュリン様成長因子結合性タンパク質-3は、ELISAを用いて測定された。

結果:
両群ともに有意な平均体重の減少がそれぞれ2.6±4.5kg(YOG)と1.2±2.5kg(CONT)と観察された。総除脂肪体重は、時間とともにYOG(0.8±1.2kg)とCONT(1.1±0.9kg)有意に増加した。総体脂肪はそれぞれ時間とともに(YOG = 3.4±4.1kgに対してCONT = 2.3±2.4kg)有意に減少していることが観察された。胴囲、矢状直径と幹脂肪は、群差なしで有意に時間とともに減少した。両群はともに、エネルギー摂取量を有意に低下させながら、タンパク質摂取量は維持していた。筋力も時間とともに両群で増大した。ホルモンレベルについては、両群において経時的な変化は見られなかった。

結論:
これらのデータは、レジスタンス・トレーニングが適度なエネルギー制限と併用されるとき、ヨーグルトサプリメントを摂取させても、除脂肪体重の増加には更なる利益をもたらさないであろうことが示唆されている。


キーワード: ヨーグルト、運動、身体組成、ホルモン類

 

出典『国際スポーツ栄養及び運動代謝学雑誌』 In Press, Mar.2011

David Travis Thomas, Laurie Wideman, Cheryl A. Lovelady, "Effects of a Dairy Supplement and Resistance Training on Lean Mass and Insulin-Like Growth Factor in Women"

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若年健常成人における躯幹筋に対する全身振動の急性作用 【海外最新研究紹介】 [トレーニング]

【要約】

躯幹筋トレーニングにおける全身振動(WBV)の作用についてはこれまでほとんどわかっていない。本研究は背部と腹筋の活動性に関してWBVの急性作用を検討した。25人の健常な被験者(24.7±3.0歳、17人が男性)に対し、振動プラットフォーム上でランダムに背部及び腹筋の8つの一般的静止運動を、振動あり、なしで行わせた。表面筋電図が背部と腹筋で測定された。人工的な振動-誘導運動に関しては、EMG信号から除去された。振動あり、及び振動なしでの筋活動は、最大随意収縮(MVC)に標準化され比較された。

振動を加えると筋活動が有意に増大し、特に腹筋エクササイズにおいて7.2±5.5% MVC(中央±四分位数偏差)増大した。背筋では、振動を加えることにより表れた最も大きい差は、1.6±1.4% MVC(中央±四分位偏差)であった。本研究の結果は、WBVによって躯幹筋活動が低~中等度の活性を起こすことを示唆する。おそらく、この効果は、対応する筋と振動プラットフォームまでの距離によって、また、運動姿勢がいかに身体バランスを崩しやすくさせるかに関わる可能性がある。しかしながら、これらの所見の関連は、今後のトレーニング研究で更に検討されなければならない。

出典『筋電図検査とキネシオロジー雑誌』 2011.1.31受理済み論文

Authors: Brigitte Wirtha, Stephan Zurfluha and Roland Müller
Institute of Human Movement Sciences and Sport, Zurich, Switzerland

"Acute effects of whole-body vibration on trunk muscles in young healthy adults" Journal of Electromyography and Kinesiology, Articles in Press

PMID: 21288740

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ピラテス(ピラーティス)マット・エクササイズおよび従来型エクササイズの腹横筋および内腹斜筋の活動に関する効果:無作為化比較試験【海外最新研究紹介】 [スポーツ]

ピラテストレーニングは、運動および機能的活動中の腹横筋(TrA)と内腹斜筋(OI)という体幹部の筋肉に働きかけ活動を高めるといわれている。


ピラテスの経験がなく疼痛も持たないスポーツクラブクラブ会員34人(平均(SD)30(7)歳)を対象にピラテスマットおよび通常のストレングストレーニングにランダム化して割り付け検討した。被験者は週に2回、指導者のいない条件でトレーニングを行い、8週間にわたって継続した。この両群に対して、TrAとOIの厚みが、ピラテスのエクササイズでいう「インプリント」(腹部のドローイン手技)、「ハンドレッドA」(仰向きで寝て手を少し上げ、股関節と膝で90度の屈曲位をとる)、「ハンドレッドB」(Aと同様だが、頸の屈曲を伴う)、および立位・座位での機能的姿勢において計測された。


ピラテス群では、ハンドレッドAにおいてTrAの厚みが増大した[すべての値は平均(SD)mm]:介入前3.7(1.3)、介入後4.7(1.1)(P = 0.007); 更にインプリントにおいてOIの厚みが減少した: 介入前11.7の(2.8)、介入後10.8(3.5)(P = 0.008)。ストレングストレーニング群では、OI厚がインプリント(P = 0.014)、ハンドレッドA(P = 0.018)とハンドレッドB(P = 0.004)においてピラテス介入群に比べてより大きな厚みになっていた。安静時および機能的活動姿勢においては、両群に差が見られなかった。


ピラテストレーニングはピラテスエクササイズを行った際にのみTrA活性を増加させるようである。 ピラテスを臨床集団に用いた場合、および機能的活動姿勢において如何に深部腹筋の活性化を増加させるかに関しては、今後の更なる検討が期待される。

出典『手技療法2011年4月号掲載予定

キーワード:ピラテス; 運動 ;腹横筋;超音波

Duncan J. Critchley1, Zoe Piersonb2, and Gemma Battersby1 “Effect of pilates mat exercises  and conventional  exercise  programmes on transversus abdominis and obliquus internus abdominis activity: Pilot randomised trial ” Manual Therapy,  Volume 16, Issue 2, April 2011, Pages 183-189

1Academic Department of Physiotherapy, King’s College London
2 Physiotherapy Department, Guy’s and St Thomas’ NHS Trust

PMID: 21075038

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反復スプリント走のパーフォーマンス、キサンチンオキシダーゼ活性と炎症に関するクエルセチン(ケルセチン)サプリメントの効果【海外最新研究紹介】 [栄養]

反復短距離競走のパーフォーマンス維持は、サッカーのようなチームスポーツにおいては主要な鍛錬目標である。クエルセチンはアデノシン-受容体拮抗剤であることが示されており、酵素キサンチンオキシダーゼ(XO)の抑制を経て、酸化ストレスを減らす可能性がある。本研究の目的は反復スプリント走のパーフォーマンスに関して、第一にクエルセチン(ケルセチン)を摂取させた場合の効果を測定すること、そして二番目に、XOと反復スプリント走運動によって誘導される炎症性マーカー(IL-6)反応を検討することであった。

15人のリクリエーション活動に抵抗のない若い成人男性に対し2回の12×30mの反復最大努力走テスト(RST)を課し(S1-S12)、それぞれ1週間ずつプラセボと6%炭水化物の一般的なスポーツドリンク、500mgのクエルセチン-3-グルコシドを含有したドリンクをそれぞれ1日2回摂取させて(1,000mg/d)検討した。また、血液サンプルがそれぞれ補給開始前(B0)、RST試技前のベースライン(B1)、RST直後(B2)、RSTの1時間後(B3)で採取された。

平均スプリント走時間は漸増し、プラセボおよび本薬群においてS9の時にともに有意に長くなった(5.9%);しかしながら、試技におけるプラセボ-本薬間の有意差は見られなかった。疲労感%の減少(FD%)はプラセボ(3.8%±2.3%)においてクエルセチン(5.1%±2.7%)より有意に少なかった。B1からB2 での血液検査値の変化はそれぞれ+47%(XO)、+77%(IL-6)と+25%(尿酸)で、本薬とプラセボの間での有意差は見られなかった。

結論として、反復スプリント走パーフォーマンスはクエルセチン・サプリメントによって改善される事はなく、%FDのみがプラセボ群において悪かったことがわかった。従って、本知見からクエルセチンは、XO活性またはIL-6(スプリント走運動後の炎症性反応マーカー)を減弱することはできないと考えられる。

キーワード:チーム・スポーツ、酸化ストレス、IL-6、尿酸

出典:『国際スポーツ栄養および運動代謝雑誌』 In Press Articles

Authors: Elizabeth L. Abbey1, Janet Walberg Rankin2

"Effect of Quercetin Supplementation on Repeated-Sprint Performance, Xanthine Oxidase Activity, and Inflammation" International Journal of Sports Nutrition and Exercise Metabolism

Authors Affiliation: 1the Department of Human Nutrition, Foods and Exercise, Virginia Polytechnic Institute and State University, Blacksburg, VA.
Journal Authors; 2the Department of Human Nutrition, Foods, and Exercise at Virginia Tech, Blacksburg, VA.

 

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ペース泳を行う際のストローク率低減の効果【競泳最新研究紹介】 [スポーツ]

本研究の目的は、ストローク率(SR)を自発的に減少させた後に運動神経機構が急性的にはどのように応答するのかを異なったスピード、異なった制約のもと(一般的にトレーナーによって用いられるストロークテクニックの改善のためのストローク数制限)行ったときで検討することである。10人の熟練したスイマー(男子8名女子2名、平均400m自由形タイムが短水路世界記録対比男子76.8±3.7%、女子73.3±2.7%)を被験者となり、3セットの疲労困憊に至るまで試技を400mの平均泳速の95%、100%、105%のペースで3回ずつ行って検討した。

最初のセットにおいては、個々のSRが連続的に計測され、平均化された。第2セット(Fixed)では、被験者は個々のSRを維持するように制約されて泳いだ。第3セット(Lowered)では、個々のSRが5%低下するように規制された。試技のそれぞれのトータルタイムとアームストローク相の持続時間が測定された。

結果は、FixedセットからLoweredセットに向けて試技全体の継続時間は低下した(p<0.05)。被験者は推進力が出ていないアーム相でより多くの時間がかかるようになった(増加率は8.6~13.2%の範囲であった; p<0.05)。また推進アーム相の持続時間はLoweredセットでも有意には変化しなかった。相運動時間の低下は、おそらく普段とは違う筋肉が動員されたことによってひきおこされたものと思われる。

泳技法の変化に関しては、FIxedセットにおいて推進力の大きさと効率が増大していることが示唆され、また両腕の推進相の間、抵抗増大を抑制するような身体のストリームラインに関しても改善が見られた。

結論としては、これらの結果はトレーニングセットの技術的な利点を意味づける上で考慮に入れられるべき問題であり、こういった制約をトレーニングスケジュールの中で用いることの有益性を示唆するものである。

出典『ストレングス&コンディショニング研究雑誌』 2011年2月号

論文要旨

Alberty, MR1, Potdevin, FP2, Dekerle, J3, Pelayo, PP1, and Sidney, MC1. Effect of stroke rate reduction on swimming technique during paced exercise.
J Strength Cond Res 25(2): 392-397, 2011-

Laboratory of Human Movement Studies, University of Lille, Ronchin, France; 2Research Team in Sport and Society, University of Lille, Ronchin, France; and 3University of Brighton, Eastbourne, United Kingdom.

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低気圧低酸素に対する心反応: エベレスト登頂後の心容量、心機能、エネルギー代謝の持続的変化 【海外最新研究紹介】 [健康]

【論文要旨】

研究者らは心臓における高エネルギーのリン酸塩代謝の変化が低気圧低酸素環境に起因する心筋機能不全の基になっている可能性があると仮定した。


健康的なボランティア被験者14人を対象にしたエベレストのベースキャンプ(標高5,300m)17日間の登頂計画で、登頂直前、帰還後4日以内にキャンプにおいて31P磁気共鳴スペクトロスコピー(分光法)をもちいて心ホスフォクレアチン(PCr)/ATPが測定され、MR(磁気共鳴)イメッジ、心エコーを用いて、心容量と心質量、心機能が測定された。


エベレストから帰還直後、被験者の総体重は3%(P<0.05)減少した。しかしながら、左室容量(体表面積に於いて調整)は11%(P<0.05)不均衡に低下した。水分補給条件の変化なしで、心拡張期の心機能変化が、ピーク左室充満レートが17%(P<0.05)、僧帽弁流入E/Aが11%(P<0.05)それぞれ減少した。登頂前と比較して、心臓PCr/ATP比は18%(P<0.01)減少した。

高所環境に於いてこれらの異常がより大きいものであったか否かは未詳であるが、これら全ての変化は帰還後6ヶ月で登頂以前のレベルに回復した。心臓形態学的にも、心機能的にも、あるいはエネルギーレベル的にもこれらの変化は慢性低酸素症患者の症状と類似しているものであった。

このように、心PCr/ATP比の減少は、健常者における低酸素誘導性の心機能不全や心疾患患者の心機能不全の前提となるような、低酸素状態における一般的な反応である可能性がある。

出典『米国実験生物学会連盟雑誌』2011.1.31

"Cardiac response to hypobaric hypoxia: persistent changes in cardiac mass, function, and energy metabolism after a trek to Mt. Everest Base Camp"

1. Cameron J. Holloway*†,1,Hugh E. Montgomery‡,Andrew J. Murray*†,2Lowri E. Cochlin*†,Ion Codreanu†Naomi Hopwood*,Andrew W. Johnson*†,Oliver J. Rider†,
   2. Denny Z. H. Levett‡Damian J. Tyler*†,Jane M. Francis†,Stefan Neubauer†,Michael P. W. Grocott‡,Kieran Clarke* and for the Caudwell Xtreme Everest Research Group

Author Affiliations

  1. *Department of Physiology, Anatomy, and Genetics and
  2. The University of Oxford Centre for Clinical Magnetic Resonance Research, University of Oxford, Oxford, UK; and
  3. University College London (UCL) Centre for Altitude, Space, and Extreme Environment Medicine, London, UK

FASEB Journal 2011.1.31(Early Access)

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運動しないで薬を飲んで六つ割れ腹筋が手に入る? 【ニュー速】 試訳 [栄養学・食事・サプリメント]

BBCの昨日付ニュース'Gym pill' for a no-work six-packによれば、運動しないで「筋肉をつける」薬が開発されたということである。
 研究している科学者たちは運動をすることなしに筋成長を促す薬を開発することを競い合っているようである。この研究の目的は、筋弱化を防止し、たとえば老化によって筋力が弱っている人や、抗重力筋の緊張のない宇宙空間において長期滞在する宇宙飛行士の筋萎縮を防ぐことが目的であるようだ。このような作用薬はその性質からいって運動選手には魅力的な薬物であるということもできる。

専門家が米誌New Scientistに語ったところによれば、研究チームはこれまで筋成長と筋破壊のメカニズムについて研究を続けてきており、今回の薬の開発はその研究成果ということのようである。

マウス等での実験では、筋小胞体のパスウェイを閉じることによって未使用による筋萎縮やある種の疾患が原因となるような筋弱化に対応できるという。研究によればいくつかの遺伝子がこの関連性において同定されているという。ハーバード大のアルフレッド・ゴールドバーグと製薬会社レジェネロンの合同研究チームは筋萎縮についてアクティブに活動する遺伝子atrogin1とmuRF1を発見したという。またパーデュ大学のチームはerg1と呼ばれる遺伝子について注目をしていたようである。

これらの科学者によれば、マウスにおける試験を終了してもうすぐにでも人における治験の準備ができていると確信しているようであり、これらの薬の効果性について大変な可能性があることを期待しているようである。

これらの薬はその効果性から注目されるものであるが、必然的にスポーツ選手を「誘惑」するものであることも抑えておく必要があるであろう。この薬によって筋サイズを運動負荷なしに維持することが可能となるが、専門家の警告によれば、定期的な運動のもたらすような中長期的な好ましい健康効果というものについては、反応をもたらさないということである。

ノッティンガム大学ポール・グリーンハーフ教授は、筋破壊と筋成長について研究しているが、この薬品の可能性について大変な可能性を指摘し、また、まずは筋萎縮症患者などについて応用可能であるかどうかの試験が優先されるべきであることを主張している。さらに教授は運動選手におけるこれらの濫用の危険性についても触れ、「運動による筋収縮そのものは単純な筋肥大をもたらすメカニズムとしてもっとも強力であって、これを軽視して薬品による筋サイズ維持を試みるべきではないと述べた。またそれに付随した栄養摂取の重要性についてもより接近して考えなくてはらず、炭水化物とたんぱく質の摂取がより重要視されるべきことを指摘している。

筋ジストロフィー患者を支援する団体のジュリア・トーマス博士は、「このような投薬による処置が本当に効果性を持ったものであるかどうかを考えるとき、筋サイズのみならず筋力そのものもその(訳者註:筋横断面積に比してということであろう)が増加するかいなかを確認することが必要とされる」

筋ジストロフィーは遺伝性の筋萎縮性疾患であるが、本薬の開発から、投薬による症状の進行遅延が期待されている。

「薬ビンの中のジム(運動の)」を期待することよりも、深刻なこれらの症状のためにこそこれらの薬が開発されることを期待している、と指摘してこの論評をしめている。


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水泳指導論 [コーチ業]

今日、仕事の休憩時間に同僚が子どもの頃にスイミングに通っていて、そのときの指導について話をする機会があった。水泳指導論と銘打つにはやや稚拙な内容かも知れないが、日本における初心者の水泳指導の流れについて記しておくことは、決して無駄にならないことと思うので記しておくことにしよう。

初心者水泳指導法としては、基本的に泳げない子どもを対象に語られることが多かった。しかし、当然ながら、泳げない人は子どもであるか成人であるかを問わず存在するために、それぞれに適した指導アプローチがあるべきという点には異論なかろう。しかしながら、いずれの際も水中という陸上とは異なった環境に身をとおじて動作を行わなくてはならないので、ヒトの形態に応じた重心点の変化が起こるし、それに伴った感覚から水に対する「恐怖心」を抱くことが、泳げなくなることのもっとも大きな障害となっているのである。

ここにおいてこれをいかに解消するかということに初心者指導論の最初にして最大のアプローチの工夫が求められるのであるが、元来、日本においては大別して2種類の水中感覚の導入が行われてきている。すなわち、純粋な意味での「水慣れ指導法」と「スイミングヘルパー指導法」の2種類である。それぞれにおいてまたその亜流を含めたりハイブリッド方式を含めたりするとその指導カリキュラムは多岐にわたるが、大まかにわけるとおおよそこの二つに集約される。

「水慣れ指導法」はおよそイメッジのしやすい、伝統的な方法であり、基本的には道具を全く使用する必要がないという点から広く学校現場などでも用いられている、簡便かつ非常に「難しい」指導法である。これについても「顔付け」を最初に行って水中(正確には水上)姿勢へと転移させていくプロセスを経ることになるが、その段階が顔付け後すぐにケノビ姿勢に入るものと、ボビング動作を行って水慣れとジャンプ動作を深めていく方法との二種類に細別できる。いずれにしろ、最初の顔付けがキーポイントである。

人間は潜水性徐脈と言って、顔に水がかかると心拍数が減少するという性質を持っている。水中において心拍数が減少するという一般的な傾向はよく知られるところであるが、この性質が初心者においては全身が緊張状態になっているにもかかわらず心拍が亢進しないという体性感覚と意識のずれを導きやすい。また、水中においては身体に浮力が生じるために安定した姿勢を保持することができなく、支点のない動作を余儀なくされる(オープン・カイネティック・チェーン動作)。この独特な体性感覚を体得するまでに、水中遊びや水の中で目を開ける、可能範囲でのモグリを楽しむなどのいろいろなアクティビティを経てケノビ動作への習得につなげられるわけである。その意味では、水慣れに要する時間が非常に長く、非効率的な面があることも否めない。

このような水慣れに時間がかかる難点を道具を用いて解消しようとしたのが「ヘルパー式」指導法である。よく誤解されていることであるが、ヘルパー指導においてはヘルパーは「浮き輪」と同じ役割をしているのではない。もちろん、浮き輪やビート板を用いて同様のプラクティスを行うことも可能だが、感覚の再現性という面でスイミングヘルパーは非常に優れている。かつて水連の指導者講習会において「ヘルパー指導」について「あんな者は浮き輪代わりでおぼれないようにするための工夫であって有効でない」旨のお話をされる地域指導者委員会のベテラン指導員の方がおられたが、これはヘルパー指導に関する全くの誤解であると言ってよい(ちなみに、以前指摘した水泳コーチのCPR技術について全くのんきなことを言っていらっしゃったのも同じ方たちであるが、本論とは関連しないので敷衍しない)。

ヘルパー指導の利点は、水につかりながら顔付けなど明らかに初心者にとって負担となりうる潜水性徐脈などを後回しにして、先に水中で効率的な浮力を得られる方法を身につけてしまおう、という点にある。ヘルパーを装着することによって水平姿勢をとったときに陸上の重心点に水中での重心点が近づくことで、重心に対する固有受容器感覚を修正し、陸上に近い感覚を得ることができるようになる。その間にキックを習得することによって水中での推進方法体得できる。推進力があれば身体が沈まなくなるので(つまり、浮力を得るために筋力を使う必要がなくなる。石ころを水中にただ落とせば沈むが、水面上を勢いをつけて滑らせると飛び石的に沈まなくなるのと同じ原理である)、ヘルパーを漸減していきながら、顔付けへと進んでいくという過程になる。

このようなヘルパー指導と水慣れ式指導にはそれぞれ長所短所が考えられるが、目的とする水中動作の機能を考慮すれば、多くの点でヘルパー指導法が有利である。なぜならば、顔付けに至るまでに(もちろん直線的に単純な教程ではなくらせん的カリキュラムによって指導されるであろうが)推進力を得ることを導入できるために、水に対する感覚の恐怖心を低減することができ、結果として「泳ぎ」の水上・水中動作の習得が早くなるという点である。その点、水慣れ式は水慣れに時間がかかる分、水中水上動作を習得するまでに時間がかかり、なおかつ水中で「進む」動作を導入する前に浮力を得るために筋力発揮を行うという消去すべき動作を行わないように指導しなくてはならないという難点がある。

私はこれまでヘルパー指導も水慣れ指導も、あるいはそのミックスであるところのハイブリッド指導も様々なカリキュラムにおいて指導したことがあるが、どちらが決定的によいという結論には達していない。ヘルパー指導と言っても結局はその教程の中に水慣れ的な教程が組み込まれてくるのであり、逆に水慣れ方式によって多くのオリンピックスイマーを養成しているスイミングクラブも存在するのである。このことは、すなわち選手のナチュラルなストロークをいかに引き出していけるかという点に焦点があるので、単にこれらの選手が水慣れ方式が必ずしも適合したから、と言うには早計であるかも知れないからである。

しかしながら、ここで今一度指摘しておかなければならないのは、多くの初心者指導に当たるコーチが現場でいろいろと試行錯誤を重ねているものとは思われるのであるが、なぜ、カリキュラム自体についての根源論的探求を放棄しているかのような取り組みを行っていることが多いのか、と言う点である。このことは、先述の地域指導者の皆さんのヘルパー指導そのものに対する誤解はもとより、今ある現状についての問題意識以上の目を持って指導をメタ認識していないという点に、病巣があると言ってよい。

ヘルパーが良いとか道具が悪いとか、そういうレベルの話ではないはずで、人間である以上、文明の発達は道具の利用の歴史であると言うこともできるように、今ある道具を(あるいは新たに考案するのも良いだろうが)あるポリシーに従って利用していこうというのは、多分に文明的・知的な行為である。そのことを理解しているにもかかわらず、なぜ、やみくもにその場その場をどうやりくりするかという近視眼的な取り組みに終始することにとどまって、指導方針の妥当性を勘案しようとしないのか?

私個人の考え方としては、初心者の初期においては適切なヘルパー利用を試みた方がよい、と言う結論になりつつある。しかしながら、水に対する恐怖心を除去することと、文明の象徴である道具を生かしながらそのクライアントの水泳に関するトレーナビリティを引き出す、すなわちナチュラルなストロークを引き出して「泳げる」ように指導するか、と言うことは、また別の課題である。この意味で、ヘルパー指導を行っている指導者はなぜ「ヘルパー」の浮力を変化させなくてはならないか、と言う基本的な点を確認しなくてはならないのは当然であるし、また、水慣れ方式においても水慣れを強調しながら水中姿勢に結びつけようとするあまり、いたずらに恐怖心をあおるような取り組みをしていないか、あるいは性急に姿勢がためを行うことで指導者の型にはめてしまいがちになっていないかを猛省しなくてはならないはずである。

幼児小学生の指導においては、このような初期のアプローチが最も重要な課題であるといえる。それを持って限りなく才能を向上させ優秀な水泳選手となる者もいれば、同じような資質を持ちつつもその端緒の取り組みを失敗してしまったために一生、水に対する恐怖心を取り除けなくなってしまう者もいるかも知れないからである。

成人の指導についても同様であり、成人については多分に頭で理解するという面があるものの、体性感覚というのは子ども以上に陸上の感覚に習熟しているため水中環境の重心について恐怖心を持つ割合は子どもより大きくなる。当然、絶対的な質量も成人の方があるわけであって、特に始めに水を飲んでしまうようなことがあったらそのクライアントはその先一生「泳ぐ」という行為・行動とは無縁になってしまうかも知れない。そのことはスポーツ的自立、すなわちスポーツを自ら楽しむという態度の選択肢を大幅に狭めることにもなりかねないのである。

私のこれまでの指導経験から考察するに、全くの初心者でも、子どもなら1回60分のレッスンで、成人ならば30分もあれば、基本的な泳動作は可能であるように思う。これができないとすれば、それまでよっぽど原理原則に則らない独特な指導を受けられてきたか、それとも水を嫌いにさせられてしまったかの、どちらかであろう。ともかく、このような初心者指導を行えるコーチというのが、今、日本全体にどのくらいいるのであろうか。オリンピックスイマーを養成するためにハイレベルでコーチングが競われていることは大変けっこうなことだが、そこに持って行くまでにどれだけ水を嫌いになってしまって水泳をやめてしまった子どもたちがいるのか。どれだけ水泳という非日常の重力感覚を体感できる特異な身体活動をあきらめてしまった大人たちがいるのか。オリンピック選手を出したコーチは脚光を浴びるし、当然その努力も顧みられるべきことであるのだが、果たしてそれと同じだけの顧慮が初心者指導の指導者に与えられているかどうか。最先端の科学的トレーニングが追求されるのはけっこうなことだが、それが金メダルを取るためと同時に、その底辺を拡大するためのノウハウも深められていると言えるのか。

我々指導者は、頂点を目指すだけでなく、頂点を目指せるにもかかわらずその能力を発揮できずにつぶれてしまう者がいるという現状を、まさにメタ認識を持って、変革しなくてはならない。だとすれば、今、その指導に一貫したポリシーを少なくとも持っているかについて、考えなくてはならないのである。おそらくそのことが、競技力の向上のためにも、最も重要なことであるはずである。

そのことをないがしろにしている指導者が多すぎる。困ったことだ。


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自覚的運動強度 [コーチ業]

【本Blogはアーカイヴです。新情報は…『自覚的運動強度』 「新・コーチの気まぐれ研究日誌」でよろしくご愛読下さいm(_ _)m】

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